導入事例

体感で120%の改善
スポーツ運営を支援するshelfは
「決定的一打の解決策」

日本ハンドボールリーグ
事務局長 松井 隆 氏

ハンドボール競技の振興に尽力し、日本代表選手の輩出や国内競技水準の向上を担う一般社団法人「日本ハンドボールリーグ(JHL)」は、2020年秋からshelfを導入した。


全国のプロカメラマンのネットワークを生かしたアマナの出張撮影サービス「インフォト」と連動し、各地で撮影した試合の写真をshelfに格納。北は宮城から南は沖縄まで、JHLに加入する計23チーム(男子12チーム、女子11チーム)がそれぞれにIDを持ち、事務局の許可のもと、shelf内から写真をダウンロードしてポスターやチラシを制作するなどの使い方をしている 。


「私の中ではshelfとインフォトは一体のシステムで使用すると抜群に威力を発揮する印象です。連動することが当たり前だし、一元化によって良さが増える。『決定的一打』の解決策を提案していただいた」とJHLの松井隆事務局長は話す。

1日がかりだった「発掘作業」
shelf導入で業務フローも改善

導入前、オフィシャルカメラマンが納品するデジタル写真は解像度が統一されておらず、利用時には媒体に合わせたリサイズ作業という手間があった。データ登録時に決められたサイズで画像を自動生成、ダウンロード時にサイズ選択できるshelfの機能が、そんな問題を解決した。


それだけではない。かつては年間200試合、1試合につき500〜600カットにのぼる写真がサーバーに乱雑に放り込まれ、必要な写真を見つけるのに一苦労だったが、shelfでは画像に文字情報を付与して登録できるため、会場やチーム、日付で検索をかければ約1万カットのストックのなかから、誰でも短時間で簡単に探し出せる。

以前なら「午前中に担当者に依頼すると夕方ぐらいまでかかった」仕事だ。しかしいまは自身でshelfにログインして 「ものの5〜10分で必要な写真を探せる」という。地方紙の入稿ピークにはスタッフ1人がほぼ丸1日かかりきりで探索に時間を要した 「発掘作業」の時間は大幅に減り、労働環境も劇的に改善。大会の運営・管理など本筋の業務に、より集中できるようになった。


「あの日のあの試合のあの選手の、ほら、シュートを打つ瞬間の写真、メールで送ってもらえませんか」。チームからのそんな問い合わせももうない。IDを持つ各自が検索して事務局へ申請すれば、フリーで写真をダウンロードできるからだ。その手軽さから各チームのホームページには以前よりも写真の掲載が増えた。「リーグの資産はメインのステークホルダー(利害関係者)である各チームとまずは共有すべきだと常に考えてきた。shelfでそれが実現できた」と松井氏。写真の著作権はアマナが管理するため、チームの垣根を越えたポスター、チラシづくりも容易になったという。


体感でいうと何%の改善ですか。そう尋ねると、松井氏からは「私は120%だと思っている」との答えが返ってきた。

売り上げをつくり出す
新たな循環の可能性

一方で、アマナのサービスはスポーツ運営に新たな循環をもたらす可能性も秘めている、と松井氏は話す。BtoC(消費者向けビジネス)に向けてshelfやインフォトを活用すれば、スポンサー収入頼りで運営していたこれまでの仕組みに新たな事業モデルを追加できるかもしれないという。


「いまは誰もがスマートフォンで写真を撮れる時代。だからこそスポーツの現場において一般人が踏み込めない場所、例えばロッカールームを出る場面や選手が会場に到着した場面での撮影や、思わぬ構図の写真などが価値を持つ。そこを求めているファンや家族などにきちんと提供する方法をつくって売り上げに変換できれば、そういった1つ1つのコンテンツや肖像などが利益を生むプロフィットセンターに変わっていけるのでは」

shelf×インフォト連携
その有用性は立証できた

そのための礎は、必要な写真を容易に取り出せるshelf と、プロならではの撮影技術を提供するインフォトによってすでにある。「いまや保育園や小学校の写真もクラウドにアップされてID、パスワードを入れれば簡単に購入できるようになっている。それと同じ発想をスポーツ業界にも取り入れたら、劇的な変化となるのではないか」 と松井氏。shelfとインフォトの仕組みを応用した販売の枠組みを事業モデルとしてハンドボールで確立し、それを他種目、ひいては他業種に広げていけるのではないかと推し量る。「shelfとインフォトの連携の有用性は、3年間で立証できました。あとはそれをどう販売のスキームに変えたり、一般の方々とのジョイントにつなげていけたりできるか。その課題をクリアすれば事業として立派に成り立つはずです」

「宝の持ち腐れというか、まだまだ使いこなせていないところもある」というshelfをどのように活用し、可能性を広げていくか。「それが3シーズン目の課題です」と松井氏は言う。「迫力あるシュートの瞬間、鬼気迫る選手の表情、我が子の活躍を見守る観客席の母親の後ろ姿……。そういった写真を保管してチームの皆さんなどと共有するテーマは、一定の成果を得ました。そこから先、shelfにはさらにどんな機能があるのか、それが我々の事業拡大をどのようにサポートしてくれるのか、次のステージに向けてこれからです 」

一般社団法人日本ハンドボールリーグ

1976年発足、2021年4月に独立法人化し運営をスタート。「すべての人にハンドボールを」を合言葉に、スポーツ文化として地域社会と融合したハンドボールの振興やオリンピック・世界選手権など国際レベルでの競技力向上、次世代の子どもたちへの夢のあるハンドボールの環境づくりを理念として掲げる。